胃カメラ
胃カメラ検査は、内視鏡を鼻または口から挿入し、食道、胃、十二指腸を直接観察する検査です。
これにより、潰瘍やがんなどの病変を発見することができます。
検査当日は、鼻腔や喉にスプレーやスティックを用いて局所麻酔を行い、検査中の苦痛を軽減します。
鼻からの挿入が困難な場合は、経鼻用の内視鏡を口から挿入します。
ご希望により、鎮静剤を静脈注射して眠りながら検査を行うことも可能です。
内視鏡が体内に入っている時間は通常5分程度です。
必要に応じて組織の一部を採取(生検)して病理検査を行います。
検査後は、1時間程度飲食が制限されます。
鎮静剤を使用した場合は、リカバリー室で30分程度の休憩が必要になります。
検査結果は、検査終了後にご説明いたします。
症状が出てからでは遅い病気があります。
安心のために受ける検査、それが胃カメラです。
胃がんは、早く見つければ、治る見込みが高まります。
胃カメラでピロリ菌を検査すれば胃がんは予防できます。
胃の痛みや胸やけだけでなく、症状のない胃がんや食道がんも少なくありません。
「まだ大丈夫」と思っていても、病気は静かに進行することがあります。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、がんだけでなく、胃潰瘍や逆流性食道炎、ピロリ菌感染による胃炎など、多くの病気を早期に発見できる最も有効な検査です。
当院では経験豊富な内視鏡専門医が苦痛の少ない検査を心がけております。鎮静剤を使用した検査にも対応しており、「思ったより楽だった」というお声をいただいています。
ご自身の健康を守るために、一度胃の状態を確認してみませんか。
このような方は胃カメラをご検討ください
- 胸やけ・胃痛・胃もたれが続く
- のどの違和感やつかえ感がある
- 健診で異常を指摘された
- ピロリ菌を指摘されたことがある
- 胃がんの家族歴がある
- 40歳以上で一度も胃カメラを受けたことがない
胃カメラでわかる病気
- 胃がん
- 食道がん
- 十二指腸がん
- 逆流性食道炎
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 慢性胃炎・萎縮性胃炎
- ピロリ菌感染
- 胃ポリープ など
大腸カメラ
大腸カメラ検査は、内視鏡を肛門から挿入し、大腸を直接観察する検査です。
これにより、ポリープやがん、炎症など大腸の病気を発見することができます。
大腸カメラ検査の前日に食事制限や下剤の服用が必要になります。
検査中に空気を入れて大腸を膨らませるため、お腹が張ったような感覚になります。
ご希望により、鎮静剤を静脈注射して眠りながら検査を行うことも可能です。
内視鏡が体内に入っている時間は通常15分程度です。
必要に応じて組織の一部を採取(生検)して病理検査を行います。
鎮静剤を使用した場合は、リカバリー室で30分程度の休憩が必要になります。
検査結果は、検査終了後にご説明いたします。
胃カメラ・大腸カメラを「定期的に」受けるのが大切な理由
「特に症状もないし、元気だから大丈夫」 そう思っていませんか?
実は、日本のがん統計において、食道・胃・大腸といった「消化器がん」は常に上位を占めています。しかし、これらは「内視鏡で早期に発見できれば決して怖くないがん」でもあります。
当院が、症状のない方にも定期的な内視鏡検査をおすすめしているのには、確かな理由があります。最新のデータとともに解説します。
1. 身近に潜む「食道がん・胃がん・大腸がん」の現実
国立がん研究センターの最新のがん統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が66%(3人に2人)、女性が51%(2人に1人)となっています。その中でも、食べる・消化することに関わる器官のがんは非常に身近です。
- 食道がん: 特に40代以降の男性に多く、お酒やタバコを好む方、お酒を飲むと顔が赤くなる方にリスクが高い傾向があります。
- 胃がん: 診断される数が大腸・肺に次いで第3位。
- 大腸がん: 罹患数が第1位。女性の死亡原因としては最も多いがんです。
これら消化管のがんは、初期の段階では「自覚症状がほぼ100%ない」という共通の大きな特徴を持っています。「痛くなってから」「食べものが喉につかえるようになってから」では、がんが進行してしまっているケースが少なくありません。
2. 生存率の分かれ道:ステージⅠなら高確率で治る時代
がんの進行度(ステージ)と「5年生存率」には、驚くほど明確な差があります。
【食道・胃・大腸がんのステージ別 5年相対生存率】
- ステージⅠ(早期がん): 食道がん80%、胃がん93%、大腸がん95%
- ステージⅣ(遠隔転移あり): 食道がん 15%、胃がん 7%、大腸がん 23%
(国立がん研究センター がん統計より)
特に食道がんは、他のがんに比べて進行が早く、転移しやすいという厄介な性質を持っています。しかし、上記の通り「ステージⅠ」の段階で見つけることができれば、80%以上という高い生存率を保つことができます。
さらに、粘膜の表面にとどまっている極めて初期の段階であれば、胃カメラや大腸カメラを使って切除する「内視鏡治療」だけで完治をめざすことが可能です。定期検査は、体への負担を最小限に抑え、命を守るための最高の防衛策なのです。
3. 日本の受診率はまだ低い=「見過ごされているリスク」がある
長年、がん検診の重要性が叫ばれていますが、日本の胃がん・大腸がんの検診受診率は依然として40〜50%前後にとどまっています。欧米諸国の受診率(70〜80%以上)と比較すると、先進国の中でも低い水準です。さらに、食道がんに関しては、一般的な対策型検診(自治体などの一斉検診)の項目自体にありません。
つまり、「本当は早期がんがあるのに、検査を受けていないために見過ごされている」人が、日本にはまだたくさんいるのが現状です。
「バリウム検査や便潜血検査を受けているから安心」という方も注意が必要です。これらは優れたスクリーニング(ふるい分け)ですが、食道の微細な変化や、胃・大腸の小さなポリープ、極めて初期の平坦ながんを見つける能力は、内視鏡検査が圧倒的に高いです。
「あのとき受けておけば」をなくすために
大腸がんは、がんになる前の「ポリープ」の段階で内視鏡を使って切除すれば、がん化を未然に防ぐことができます。また、胃がんはピロリ菌の有無を調べ、ピロリ菌がいた場合は除菌をすることで胃がんの発症を予防できます。
内視鏡検査は「苦しい・痛い」というイメージがあるかもしれません。しかし当院では、鼻から挿入する極細の内視鏡を採用し、ご希望であれば鎮静剤(眠くなるお薬)を使用して楽に検査を受けられる体制を整えています。胃カメラの際には、喉だけでなく食道もすみずみまで観察いたします。
以下の方は特に、早めの受診をお勧めします。
- 40歳を過ぎて一度も検査を受けたことがない方
- お酒やタバコを好む、またはお酒を飲むとすぐ顔が赤くなる方
- 前回の検査から2年以上あいている方
あなたの健康と、大切なご家族の笑顔を守るために。
ぜひ、定期的な内視鏡検査を健康習慣として取り入れてみませんか?
代表的なおなかの病気
逆流性食道炎
胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜に炎症を起こす病気です。食生活の欧米化や加齢、肥満、ピロリ菌感染率の低下などが原因で増えています。
- 主な症状:胸焼け(みぞおちの上がジリジリ焼けるような感じ)、酸っぱいものが上がってくる、喉の違和感、長引く空咳。
- 検査・診断:胃カメラ検査が最も確実です。食道粘膜のただれや炎症を直接確認し、食道がんなど他の病気がないかを識別します。
- 治療:胃酸の分泌を強力に抑えるお薬の内服が中心です。あわせて「食後2時間くらいは横にならない」「脂っこいものを控える」といった生活習慣の改善も重要です。
胃十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が、胃酸よって深く傷つけられ、えぐれてしまう病気です。主な原因はピロリ菌の感染や、痛み止めの服用、強いストレスです。
- 主な症状:みぞおちあたりの痛み(胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時や夜間に痛む傾向があります)、吐き気、胃もたれ。潰瘍から出血すると、便が真っ黒になったり、コーヒーの残りかすのようなものを吐いたりします。
- 検査・診断:胃カメラ検査で潰瘍の場所や深さを直接確認します。出血がある場合はその場で内視鏡的な止血処置を行います。あわせてピロリ菌検査も行います。
- 治療:胃酸を抑えるお薬の内服のほか原因となる薬剤の中止が大事です。ピロリ菌が陽性の場合は、再発を防ぐために「ピロリ菌の除菌治療(1週間の抗菌薬内服)」を行います。
機能性ディスペプシア(FD)
胃カメラなどで検査をしても、がんや潰瘍といった目に見える異常が見つからないにもかかわらず、胃もたれやみぞおちの痛みが慢性的に続く病気です。胃の動きの悪さや、胃の知覚過敏、ストレスなどが複雑に絡み合って起こります。
- 主な症状:食後のつらい胃もたれ、少し食べただけでお腹がいっぱいになる、みぞおちの痛みや灼熱感。
- 治療:胃の動きを良くするお薬、胃酸を抑えるお薬、漢方薬、抗不安薬など、患者様の主症状や状態に合わせて最適なお薬を組み合わせて調整します。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
免疫のバランスが崩れることなどにより、腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍ができてしまう原因不明の病気です(国の指定難病です)。比較的若い世代に発症しやすい特徴があります。
- 潰瘍性大腸炎:主に大腸の粘膜に炎症が起こります。
- クローン病:口から肛門まで、消化管全体のあらゆる場所に飛び飛びの炎症や潰瘍が起こります。
- 主な症状:長引く下痢、血便(便に血や粘液が混じる)、繰り返す腹痛、発熱、体重減少。
- 検査・診断:大腸カメラ検査が必須です。腸の粘膜の炎症パターンを直接観察し、組織の一部を採取(生検)して顕微鏡で調べることで確定診断を行います。
- 治療:腸の炎症を抑える「5-ASA製剤」という基本薬の内服や、症状が強い場合はステロイド、免疫調節薬、分子標的薬などを用いて、症状が落ち着いた状態を維持する治療を長く続けます。
虚血性腸炎
大腸に血液を送り込んでいる血管が一時的に詰まったり、血流が滞ったりすることで、大腸の粘膜が酸素不足(虚血)に陥り、炎症や潰瘍を起こす病気です。便秘がちの女性や、高血圧・動脈硬化のある高齢の方に多く見られます。
- 主な症状:突然の激しい左下腹部の痛み、それに続く下痢、そして鮮血が混じる血便(下血)。
- 検査・診断:症状の経過によって強く疑いますが、状態が落ち着いたタイミングで大腸カメラ検査を行い、大腸粘膜の発赤や出血、潰瘍の広がりを確認します。
- 治療:軽症であれば、数日間の絶食・点滴(腸を休めること)により、自然と血流が再開して短期間で軽快することが多いです。症状に応じて入院治療をお勧めする場合があります。
慢性肝障害
肝臓の細胞が、何らかの原因で長期間にわたって壊れ続けている状態です。主な原因には、B型・C型などのウイルス性肝炎、お酒の飲みすぎ(アルコール性)、近年急増している肥満や糖尿病に伴う脂肪肝(脂肪性肝疾患)などがあります。
- 主な症状:肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなり進行するまで自覚症状がほとんどありません。進行すると、全身の倦怠感、食欲不振、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などが現れます。
- 検査・診断:健康診断の血液検査(AST、ALT、γ-GTPなど)の異常で発見されることが大半です。原因を特定する血液検査や、肝臓の脂肪沈着や形態変化を調べる腹部超音波検査を行います。
- 治療:原因に応じた治療を行います。ウイルス性であれば抗ウイルス薬、脂肪肝やアルコール性であれば、食事療法・運動療法といった生活習慣の改善が基本となります。
肝硬変
慢性肝障害が長く続き、肝細胞の破壊と修復が繰り返された結果、肝臓全体が硬い「線維(傷跡の組織)」に置き換わり、ゴツゴツと小さくなってしまった状態です。肝臓の機能が著しく低下してしまいます。
- 主な症状:
- 代償期(初期〜中期):症状はほとんどありません。
- 非代償期(末期):黄疸、お腹に水が溜まる(腹水)ことによる腹部膨満感、足のむくみ、手のひらが赤くなる(手掌紅斑)、意識がぼんやりする(肝性脳症)。また、食道静脈瘤が破裂して大吐血を起こす危険もあります。
- 検査・診断:血液検査、腹部超音波検査やCT検査で、肝臓の変形や脾臓の腫れを確認します。食道静脈瘤の有無を調べるため胃カメラ検査も定期的に必要です。
- 治療:一度硬くなってしまった肝臓を元に戻す特効薬はありませんが、これ以上進行させないための対症療法(残った肝機能を守る治療、利尿薬、アミノ酸製剤など)や、合併症(腹水や静脈瘤)の管理を行います。
急性胆嚢炎
胆汁(肝臓で作られる消化液)を溜めておく袋である「胆嚢(たんのう)」に炎症が起きる病気です。原因の9割以上は、胆嚢の中にできた石(胆石)が詰まって細菌感染を起こすことです。
- 主な症状:右肋骨の下あたり(右上腹部)やみぞおちの激しい痛み(背中や右肩に広がることもあります)、発熱、吐き気。食事(特に脂っこいもの)をした後に痛みが強くなる特徴があります。
- 検査・診断:血液検査で炎症反応の上昇や肝・胆道系酵素の上昇を確認し、腹部超音波検査やCT検査で胆嚢の腫れ、壁の肥厚、胆石の有無を迅速に診断します。
- 治療:急性胆嚢炎は原則として入院加療が必要です。絶食・抗生剤の点滴による内科的治療を行うか、早期に手術(胆嚢摘出術)を行うかを、病状の緊急度に合わせて判断します(高度医療機関へスムーズにご紹介いたします)。
急性膵炎
膵液(強力な消化酵素を含む液)を分泌する膵臓に急激な炎症が起こる病気です。何らかの原因で膵液が膵臓自体を消化(自己消化)してしまうことで起こります。主な原因は、お酒の飲みすぎ(アルコール性)と、胆石が膵管の出口に詰まること(胆石性)です。
- 主な症状:みぞおちから背中にかけて突き抜けるような、激しい激痛。体を後ろに反らすと痛みが増し、エビのように前かがみになると少し和らぐ特徴があります。吐き気や発熱を伴います。
- 検査・診断:血液検査で膵酵素(アミラーゼやリパーゼ)の著しい上昇を確認します。さらに、CT検査や腹部超音波検査で膵臓の腫れや周囲への炎症の広がりを調べます。
- 治療:重症化すると命に関わることもあるため、迅速な入院治療(絶食、大量の点滴)が必要です。速やかに適切な専門病院へ連携します。
慢性膵炎
膵臓の緩やかな炎症が長期間にわたって繰り返されることで、膵臓の細胞が少しずつ破壊され、線維化して硬くなっていく病気です。長年の多量のお酒(アルコール)が最大の原因です。進行すると膵臓の機能が枯渇し、消化酵素が出なくなるほか、インスリンが出なくなって糖尿病を発症します。
- 主な症状:
- 代償期(初期):反復する激しいみぞおちや背中の痛み(特に食後や飲酒後)。
- 非代償期(末期):膵臓が荒廃すると逆に痛みは軽くなりますが、消化吸収不良による下痢や脂肪便(油が浮く便)、急激な体重減少、糖尿病の悪化が見られます。
- 検査・診断:血液・尿検査、腹部超音波検査、CT・MRI検査などで、膵臓の萎縮、膵臓の中にできる石(膵石)の有無などを確認します。
- 治療:第一に「絶対禁酒」です。食事も低脂肪食を徹底します。お薬としては、痛みを抑える鎮痛薬や、低下した消化機能を補うための消化酵素薬の内服、糖尿病に対する治療を行います。